
2025年11月18日NEW
10月末に映画「愚か者の身分」を観てきました。この映画に関心を持った理由は、出演者の2人が好きな俳優だったからです。主役は北村拓海さんでその先輩役が綾野剛さんでした。この映画は、生活環境に恵まれずに育ち、どちらかといえばダークな世界、闇の社会に近いところで生活費を稼ぐしかない若者らの姿を描いています。
この映画での彼らの仕事は「身寄りのない男性らの個人情報を引き出して戸籍を売買する」というものです。実際にこのニセの戸籍で他人になりすまして事件になったニュースは、今でも見聞きしています。彼らはこれが悪いことであり、犯罪に使われる可能性があると分かっていてこの闇ビジネスに手を出しています。
しかし、やがて人をだますことに嫌気がさして組織から抜けようとしますが、そうなると口封じのために組織から命さえ狙われてしまうのです。必死に逃げようとする若者らの姿に「逃げ切れ!」「早くまっとうになれ」と励ましたくなってしまいます。
豊かな日本とはいえ、貧困世帯が増えているといわれています。そうした日本の負の側面から闇ビジネスの末端で組織に加担してしまう若者が出てきてしまうのが現状なのでしょうか。世間を騒がせているトクリュウ(匿名・流動型犯罪)などにおける「かけ子」や「受け子」などもそうなのでしょう。
ラストは彼らが「新たな1歩を踏み出すことができそうかな?」というところで終わりますが、自分の孫達(男子2人)には、間違ってもそちらの世界に足を踏み入れてほしくないと思いました。